お盆なんて毎年なにもしてなくって今年も何もする予定がなかったけど、うに丸の初盆だというのに気付いて、木彫りで精霊馬をつくりました
うに丸の死をきっかけに木彫りを始めて、なかなかうに丸のような個体を作り出せずにいたけど、今回の精霊馬は、少し似ている子を作れたかなって思います。
木彫りの様子はInstagramにアップしています。hamamu75
学生の頃に知能テストをやるたび空間把握能力が高いって出て、何の役に立つんだろうって思ってたけど、今役に立ってる。人生何が役に立つかわからないものだね。
うに丸の死をきっかけに木彫りを始めて、なかなかうに丸のような個体を作り出せずにいたけど、今回の精霊馬は、少し似ている子を作れたかなって思います。
木彫りの様子はInstagramにアップしています。hamamu75
学生の頃に知能テストをやるたび空間把握能力が高いって出て、何の役に立つんだろうって思ってたけど、今役に立ってる。人生何が役に立つかわからないものだね。
22日
朝起きておはよう、って今日も言えた。
私の布団の枕元に朝からずっといる。ちょっと移動してもすぐに戻る。
ヨタヨタするようになったけど、かかとは下がってないのでまだ元気そう。
どこにその水分が?と思うけどおしっこをした。スゴイ。
お風呂場の水が流れるのをずーっと見てる。水を飲めなくなってから、あまりにも水を見る眼差しが切ない。
水を強制的に飲ませるかどうかは、ずっと悩んでいた。水を飲みたがっているから飲ませる?ストレスをかけて強制的に飲ませる?苦しみを長く引き伸ばすことになっても飲ませる?お水を飲みたそうにしているのに与えないのはヒドイ事?本当に水を欲しがっているの?飲むと辛いから飲まない?
飲ませる苦痛と飲ませない苦痛と天秤にかけても答えは出ない。うに丸の幸せに添うようにしたいのは山々なれど、うに丸は言葉を持たないから。決めるのは飼い主である私達しかいない。
私達はうに丸の嫌がる事はしない、と決めた。そして水を無理矢理飲ます事は嫌がる事なので、やらない。
ただ、それだけの事だ。
見ていて辛いのは人間側の都合で、うに丸本人はどう思っているのか分からない。
案外、お水飲めないなー、ぐらいの軽い気持ちなのかもしれない。
そんなのは考えても仕方ない事だ。
23日
浅い眠りの中何度も夢を見た。
その中でうに丸から魂のカケラをもらう夢を見た。
私が亡くなったときにちゃんと会えるための目印。夢だけど。答え合わせは私が死んだあとに。
うに丸はおやつが大好きで、食べることができなくなっても、おやつの時間にはみんなと一緒に集まっていた。食べられないとわかっていてもうに丸の分のおやつも用意していた。でも数日前から、おやつを用意する音がしても来なくなった。
そういうふうに、水にも興味を示さなくなるかなって思っていたけど、ずっとお水の前で考え込むように黙って見ているから、少しでも水に口をつけられたらいいな、と思って。口を湿らせる事ができればいいな、と思ってマタタビを買ってきて混ぜてみた。匂いに反応して水面に顔を近づけるけれど、やっぱり飲めなかった。飲めないけど、興味を持ってお水をちょいちょい前脚で触る。飲めなくても楽しそうにしてくれたからいいや。
段差を登るときに少しふらつく。少しだけヨダレ、鼻水が出ているけれど好きなところに好きなように移動できているようだ。昼間は一日中お気に入りの窓辺にいた。撫でるとゴロゴロ喉を鳴らしてくれる。
瞬膜が出ている。視点もあまり動かない。油断してると目に力がなくなる。
でもまだまだ生きる気力はあるみたいだ。
24日
水を飲まなくなってから6日目。生きているのが不思議で仕方ない。
うに丸の背中を何度も確認する。規則正しくゆっくり上下する背中をみて、安堵する。目を離したスキに眠るように逝ってしまいそう。
立ち上がるときにふらつくようになった。いつ倒れても不思議ではないぐらいフラフラだ。布団の枕元からほぼ動かない。
私もできる限りそばにいる。
私がいなくなるとヨロヨロしながら移動してくる。不安定に歩く姿が心配だけど、人間の手を借りるのは猫としての矜持が許さないだろうから、震えながら進める歩みを見ているだけにした。うに丸のエネルギーをあまり使わせないよう、私がうに丸のストーカーになる。常にうに丸と私が互いの気配を感じられる場所にに移動しながらうに丸を見守った。
ヨタヨタ歩きながらもトイレにも入る。どこから水分は出てくるんだろう。
お腹を触ると温かい。背中は骨だけしかない。
口をくちゃくちゃする。ずっと水分を取っていないから口の中も気持ち悪いのだろう。口臭なのか、匂いもするようになった。今まで嗅いだことのない良くない匂い。口の周りだけでもきれいにしてあげたくて、蒸しタオルでぬぐう。少し嫌がるけど思ったより抵抗しなかった。目やには膿のような大量の目ヤニがでた。固まっていて取り切れないところもある。取れるだけ取って、あとは軽く拭くだけにした。
目を閉じることなくじっとどこかを見ている。
弁慶のように動かない。
うに丸は、スフィンクスのようにして眠っているのだけど時々寝落ちする人みたいに頭がガクンと下がって、突っ伏してしまう。
あっ、と思って撫でると、ボク寝てませんよって感じで頭を上げる。そんなに頑張らなくていいのに。
25日
朝起きるとトイレの前に粗相した跡があった。歩くのも立ち上がるのも必ずふらつく。見るからに弱々しい歩き方で、一歩ずつがとても短く、重い。それでも行きたいところに行く。倒れた時に支えられるように、動く時はすぐに手が出せる距離でついていく。
ふらつきながらも寝返りをうつ。
目ヤニを拭ってるやる。まぶたが重いのか大きく目を見開くことはなくなった。常に半眼で、瞬きをしない。もうずいぶんと目を閉じる姿を見ていないので、きっと死ぬまで目を開けたままなのだろう。お腹をかすかに上下させてゆっくりと呼吸をしている。
目を開けたまま眠っているようだ。眠れている間は撫でないようにした。名前も呼ばない。ただ見ていた。
匂い、これは死臭なのかな。うに丸から全体的に匂ってくる。
本当に死がそこまで迫ってくる。うに丸がいなくなってしまう、と実感として迫ってくる。うに丸がいなくなるのが辛くてたまらない。うに丸の前ではネガティブなことを言うのをやめよう、と思っていたのに、弱音ばかりが出てくる。
いつまで経っても覚悟なんてできない。
覚悟できたと思っても、錯覚してるだけかもしれない。そんぐらいぺらっぺらの覚悟。
オットが帰ってきた時に、ずっとこもっていた小屋からヨタヨタと出てきた。珍しくおかえりなさいの挨拶がしたかったみたいだ。
窓際の段差のあるお気に入りの場所から降りるときに段差でバランスを崩して、ふらりと倒れた。倒れたあとにすぐ立ち上がってヨロヨロしながらお気に入りの小屋の中に入っていく。
もう私がそばにいなくても、探しに来ることはなくなった。
26日
朝起きるといつも枕元にいるうに丸が、いなかった。居間にあるお気に入りの小屋の中にいる。誰が声をかけても出てこない。
出入り口から見える黒い毛皮が、上下に震えるようにゆっくりと動くのを確認する。いつ呼吸が止まってもおかしくないぐらいゆっくり。中は暗闇なので、どんな様子なのか分からない。
無理に出すことはしない。うに丸はそこを選んだんだ。
5時間ぐらいして這うようにして出てきた。手脚は震えて、何度も倒れかける。もうほとんど動けないようだ。出てきてすぐにまた戻り、また出てきてトイレに向かった。おしっこを少しだけ出し、うんこをするかのように体勢を変え、踏ん張って、倒れた。トイレの中でしばらく動けずにいるので、抱きかかえてタオルの上に横たえた。しばらくしたら体力が回復したのか、また自力で立ち上がって移動しようとしたので、いつも入っていたカゴを持ってきてその中に乗せ、いつもいたお日さまが当たる場所まで運んだ。うに丸が本当のところ、どこに行きたかったのか、どうしたかったのか分からないけど、私がそうしたかったからそうした。
そのあと、また移動したそうだったので、段差のない安全な場所まで運んだ。小屋の中に入って休憩しては出てきて、別の場所に力なく横たわる。倒れるように寝返りを打つのでこのまま息が止まる?、と思っていたら、ムクリと起き出してフラッフラになりながらまた移動する。
このまま生き続けそうな錯覚に陥る。
私達の想像の斜め上を遥かに超えていくうに丸、スゴイ。
27日
おはよう、うに丸。昨日の夜から猫部屋にこもっているうに丸に声をかける。中に手を入れて撫でると、ヒンヤリとしていて体温が下がっている感じがする。
スースーと穏やかな寝息が聞こえてくるので、自分から出てこない限りは必要以上に構わないようにする。
この日はオットがテレワークの日で、うちにいた。動けないうに丸を見て、もうそろそろだね、って話をしていた。
突然しましまがマーライオンのように、高い場所から吐いて、あちこち移動しながら何回か吐いた。しまちゃんまで、いなくなるのはやめてよ、と言いながら後始末をしていたら、気がつくとうに丸が顔と手脚をもがくように動かしていた。無理矢理小屋から出す事に悩んだけど、狭い場所で何か処置が必要な事態になったら大変なので猫小屋から出して座布団の上に寝かせた。何度も立ち上がろうとしていたけど、後ろ脚は動かず、前脚にも力が入らず、その場から動くことができなくなっていた。息の仕方も早い呼吸に変わっていて、瞳孔も開き、眼が真っ黒になっている。肉球は冷たく手のひらで温めてもずっと冷たいままだった。
ああ、もうすぐなのか、と思って手や頭や身体を撫でていたら、目に光が戻ってきた。
何度か手脚をビクつかせて痙攣のような動きをしたけど、呼吸もまたゆっくり穏やかなものに戻っていた。
死にそうになりながら何度も戻ってくる気力はいったいどこから。
そのあと何度も立ち上がりたそうな仕草をするので、体勢を変えてあげる。抱きあげるとぺらぺらに薄い体はあちこちが固まっていて、骨もゴツゴツしていて、痛ましい。
それでも数時間、復活したかのように見えたうに丸はゆったりとした時間を過ごし、このまま明日まで生きてるかもね、と話していた。
ずーっと見ていた。撫でたり話しかけたり。あんまり構われるのはイヤかな、と思ったけど、触っていたかった。
ゆっくりした呼吸の中、また手足が少し大きめにビクビク動いた。そして、数秒痙攣をした、と思ったら、すぅ、と呼吸が止まった。お腹に手を当てても何の動きも感じられない。とても静かで、一度も声をあげなかった。苦しみを感じさせない見事な最期だった。オットを呼んで一緒にうに丸を撫でた。
呼吸が止まってからまぶたを閉じてあげようとしたら手脚を動かしたので、ビックリした。まだ生きてた!?って笑った。
でもそれだけ。
体が固くなる前に丸く形を整えてあげて、お気に入りのおやつと最後に遊んだオモチャを枕元に置いた。
その日のうちに火葬をした。
大きくてしっかりした立派な骨だった。
猫一匹いなくなっただけなのに、部屋が広く感じる。
まだそこかしこにうに丸の気配を感じて泣いてしまう。
大きな音を出すたび、起きた?とうに丸の様子を見ようとして、もういないんだ、と思い直す。猫小屋からノソノソと出てくるのではないかと、そこを見るのはクセになってしまっている。夜通し付けていたエアコンは、もうつけなくていいんだ、と気づく。
これから折りに触れ、泣いて暮らすのだろう。最愛の猫のいない生活に慣れるのは時間がかかるから。
でもうに丸がいなくても時間は止まらないし、世の中は普通に回っていく。
うに丸は優しいコだったから苦しそうな姿はほとんど見せなかった。
だから大丈夫。
幸せな思い出だけが残っている。
ありがとう、うに丸。
私がそっちに行くのはまだ時間がかかりそうだけど、待っていてね。
朝起きておはよう、って今日も言えた。
私の布団の枕元に朝からずっといる。ちょっと移動してもすぐに戻る。
ヨタヨタするようになったけど、かかとは下がってないのでまだ元気そう。
どこにその水分が?と思うけどおしっこをした。スゴイ。
お風呂場の水が流れるのをずーっと見てる。水を飲めなくなってから、あまりにも水を見る眼差しが切ない。
水を強制的に飲ませるかどうかは、ずっと悩んでいた。水を飲みたがっているから飲ませる?ストレスをかけて強制的に飲ませる?苦しみを長く引き伸ばすことになっても飲ませる?お水を飲みたそうにしているのに与えないのはヒドイ事?本当に水を欲しがっているの?飲むと辛いから飲まない?
飲ませる苦痛と飲ませない苦痛と天秤にかけても答えは出ない。うに丸の幸せに添うようにしたいのは山々なれど、うに丸は言葉を持たないから。決めるのは飼い主である私達しかいない。
私達はうに丸の嫌がる事はしない、と決めた。そして水を無理矢理飲ます事は嫌がる事なので、やらない。
ただ、それだけの事だ。
見ていて辛いのは人間側の都合で、うに丸本人はどう思っているのか分からない。
案外、お水飲めないなー、ぐらいの軽い気持ちなのかもしれない。
そんなのは考えても仕方ない事だ。
23日
浅い眠りの中何度も夢を見た。
その中でうに丸から魂のカケラをもらう夢を見た。
私が亡くなったときにちゃんと会えるための目印。夢だけど。答え合わせは私が死んだあとに。
うに丸はおやつが大好きで、食べることができなくなっても、おやつの時間にはみんなと一緒に集まっていた。食べられないとわかっていてもうに丸の分のおやつも用意していた。でも数日前から、おやつを用意する音がしても来なくなった。
そういうふうに、水にも興味を示さなくなるかなって思っていたけど、ずっとお水の前で考え込むように黙って見ているから、少しでも水に口をつけられたらいいな、と思って。口を湿らせる事ができればいいな、と思ってマタタビを買ってきて混ぜてみた。匂いに反応して水面に顔を近づけるけれど、やっぱり飲めなかった。飲めないけど、興味を持ってお水をちょいちょい前脚で触る。飲めなくても楽しそうにしてくれたからいいや。
段差を登るときに少しふらつく。少しだけヨダレ、鼻水が出ているけれど好きなところに好きなように移動できているようだ。昼間は一日中お気に入りの窓辺にいた。撫でるとゴロゴロ喉を鳴らしてくれる。
瞬膜が出ている。視点もあまり動かない。油断してると目に力がなくなる。
でもまだまだ生きる気力はあるみたいだ。
24日
水を飲まなくなってから6日目。生きているのが不思議で仕方ない。
うに丸の背中を何度も確認する。規則正しくゆっくり上下する背中をみて、安堵する。目を離したスキに眠るように逝ってしまいそう。
立ち上がるときにふらつくようになった。いつ倒れても不思議ではないぐらいフラフラだ。布団の枕元からほぼ動かない。
私もできる限りそばにいる。
私がいなくなるとヨロヨロしながら移動してくる。不安定に歩く姿が心配だけど、人間の手を借りるのは猫としての矜持が許さないだろうから、震えながら進める歩みを見ているだけにした。うに丸のエネルギーをあまり使わせないよう、私がうに丸のストーカーになる。常にうに丸と私が互いの気配を感じられる場所にに移動しながらうに丸を見守った。
ヨタヨタ歩きながらもトイレにも入る。どこから水分は出てくるんだろう。
お腹を触ると温かい。背中は骨だけしかない。
口をくちゃくちゃする。ずっと水分を取っていないから口の中も気持ち悪いのだろう。口臭なのか、匂いもするようになった。今まで嗅いだことのない良くない匂い。口の周りだけでもきれいにしてあげたくて、蒸しタオルでぬぐう。少し嫌がるけど思ったより抵抗しなかった。目やには膿のような大量の目ヤニがでた。固まっていて取り切れないところもある。取れるだけ取って、あとは軽く拭くだけにした。
目を閉じることなくじっとどこかを見ている。
弁慶のように動かない。
うに丸は、スフィンクスのようにして眠っているのだけど時々寝落ちする人みたいに頭がガクンと下がって、突っ伏してしまう。
あっ、と思って撫でると、ボク寝てませんよって感じで頭を上げる。そんなに頑張らなくていいのに。
25日
朝起きるとトイレの前に粗相した跡があった。歩くのも立ち上がるのも必ずふらつく。見るからに弱々しい歩き方で、一歩ずつがとても短く、重い。それでも行きたいところに行く。倒れた時に支えられるように、動く時はすぐに手が出せる距離でついていく。
ふらつきながらも寝返りをうつ。
目ヤニを拭ってるやる。まぶたが重いのか大きく目を見開くことはなくなった。常に半眼で、瞬きをしない。もうずいぶんと目を閉じる姿を見ていないので、きっと死ぬまで目を開けたままなのだろう。お腹をかすかに上下させてゆっくりと呼吸をしている。
目を開けたまま眠っているようだ。眠れている間は撫でないようにした。名前も呼ばない。ただ見ていた。
匂い、これは死臭なのかな。うに丸から全体的に匂ってくる。
本当に死がそこまで迫ってくる。うに丸がいなくなってしまう、と実感として迫ってくる。うに丸がいなくなるのが辛くてたまらない。うに丸の前ではネガティブなことを言うのをやめよう、と思っていたのに、弱音ばかりが出てくる。
いつまで経っても覚悟なんてできない。
覚悟できたと思っても、錯覚してるだけかもしれない。そんぐらいぺらっぺらの覚悟。
オットが帰ってきた時に、ずっとこもっていた小屋からヨタヨタと出てきた。珍しくおかえりなさいの挨拶がしたかったみたいだ。
窓際の段差のあるお気に入りの場所から降りるときに段差でバランスを崩して、ふらりと倒れた。倒れたあとにすぐ立ち上がってヨロヨロしながらお気に入りの小屋の中に入っていく。
もう私がそばにいなくても、探しに来ることはなくなった。
26日
朝起きるといつも枕元にいるうに丸が、いなかった。居間にあるお気に入りの小屋の中にいる。誰が声をかけても出てこない。
出入り口から見える黒い毛皮が、上下に震えるようにゆっくりと動くのを確認する。いつ呼吸が止まってもおかしくないぐらいゆっくり。中は暗闇なので、どんな様子なのか分からない。
無理に出すことはしない。うに丸はそこを選んだんだ。
5時間ぐらいして這うようにして出てきた。手脚は震えて、何度も倒れかける。もうほとんど動けないようだ。出てきてすぐにまた戻り、また出てきてトイレに向かった。おしっこを少しだけ出し、うんこをするかのように体勢を変え、踏ん張って、倒れた。トイレの中でしばらく動けずにいるので、抱きかかえてタオルの上に横たえた。しばらくしたら体力が回復したのか、また自力で立ち上がって移動しようとしたので、いつも入っていたカゴを持ってきてその中に乗せ、いつもいたお日さまが当たる場所まで運んだ。うに丸が本当のところ、どこに行きたかったのか、どうしたかったのか分からないけど、私がそうしたかったからそうした。
そのあと、また移動したそうだったので、段差のない安全な場所まで運んだ。小屋の中に入って休憩しては出てきて、別の場所に力なく横たわる。倒れるように寝返りを打つのでこのまま息が止まる?、と思っていたら、ムクリと起き出してフラッフラになりながらまた移動する。
このまま生き続けそうな錯覚に陥る。
私達の想像の斜め上を遥かに超えていくうに丸、スゴイ。
27日
おはよう、うに丸。昨日の夜から猫部屋にこもっているうに丸に声をかける。中に手を入れて撫でると、ヒンヤリとしていて体温が下がっている感じがする。
スースーと穏やかな寝息が聞こえてくるので、自分から出てこない限りは必要以上に構わないようにする。
この日はオットがテレワークの日で、うちにいた。動けないうに丸を見て、もうそろそろだね、って話をしていた。
突然しましまがマーライオンのように、高い場所から吐いて、あちこち移動しながら何回か吐いた。しまちゃんまで、いなくなるのはやめてよ、と言いながら後始末をしていたら、気がつくとうに丸が顔と手脚をもがくように動かしていた。無理矢理小屋から出す事に悩んだけど、狭い場所で何か処置が必要な事態になったら大変なので猫小屋から出して座布団の上に寝かせた。何度も立ち上がろうとしていたけど、後ろ脚は動かず、前脚にも力が入らず、その場から動くことができなくなっていた。息の仕方も早い呼吸に変わっていて、瞳孔も開き、眼が真っ黒になっている。肉球は冷たく手のひらで温めてもずっと冷たいままだった。
ああ、もうすぐなのか、と思って手や頭や身体を撫でていたら、目に光が戻ってきた。
何度か手脚をビクつかせて痙攣のような動きをしたけど、呼吸もまたゆっくり穏やかなものに戻っていた。
死にそうになりながら何度も戻ってくる気力はいったいどこから。
そのあと何度も立ち上がりたそうな仕草をするので、体勢を変えてあげる。抱きあげるとぺらぺらに薄い体はあちこちが固まっていて、骨もゴツゴツしていて、痛ましい。
それでも数時間、復活したかのように見えたうに丸はゆったりとした時間を過ごし、このまま明日まで生きてるかもね、と話していた。
ずーっと見ていた。撫でたり話しかけたり。あんまり構われるのはイヤかな、と思ったけど、触っていたかった。
ゆっくりした呼吸の中、また手足が少し大きめにビクビク動いた。そして、数秒痙攣をした、と思ったら、すぅ、と呼吸が止まった。お腹に手を当てても何の動きも感じられない。とても静かで、一度も声をあげなかった。苦しみを感じさせない見事な最期だった。オットを呼んで一緒にうに丸を撫でた。
呼吸が止まってからまぶたを閉じてあげようとしたら手脚を動かしたので、ビックリした。まだ生きてた!?って笑った。
でもそれだけ。
体が固くなる前に丸く形を整えてあげて、お気に入りのおやつと最後に遊んだオモチャを枕元に置いた。
その日のうちに火葬をした。
大きくてしっかりした立派な骨だった。
猫一匹いなくなっただけなのに、部屋が広く感じる。
まだそこかしこにうに丸の気配を感じて泣いてしまう。
大きな音を出すたび、起きた?とうに丸の様子を見ようとして、もういないんだ、と思い直す。猫小屋からノソノソと出てくるのではないかと、そこを見るのはクセになってしまっている。夜通し付けていたエアコンは、もうつけなくていいんだ、と気づく。
これから折りに触れ、泣いて暮らすのだろう。最愛の猫のいない生活に慣れるのは時間がかかるから。
でもうに丸がいなくても時間は止まらないし、世の中は普通に回っていく。
うに丸は優しいコだったから苦しそうな姿はほとんど見せなかった。
だから大丈夫。
幸せな思い出だけが残っている。
ありがとう、うに丸。
私がそっちに行くのはまだ時間がかかりそうだけど、待っていてね。
14日
水を飲みたくても飲めなさそうな感じ
水面に顔を近づけて口をチャプチャプ動かすけど実際に水を飲めていない
昨日まではお湯にすると少しだけ飲んでたけど、今日はお湯でもエアチャプチャプ
口の中を潤すぐらいの量しか飲めていない。
水の音に反応してやってくるけど、口をつけられなくてしょんぼりしている。
水を飲めなくなると数日ってどこかで見た。
シリンジで無理矢理飲ませるか悩んだけど口の周りに水を付けるとすごく嫌がったので、無理に何かをさせるのはやめた。
水を飲めなくなったのは体が旅立つ準備をし始めたからだね、と話しかける。
それ以外はお気に入りの場所で寝ている。規則正しくお腹が上下するのを見て安心する。
まだ大丈夫。
15日
寒い廊下にいる事が多くなった。廊下はほぼ外と同じ気温。外との違いは風が吹かないぐらい。
ほぼ廊下が定位置で、寂しくなったら鳴く。鳴き声が聞こえるといそいそと駆けつけて声をかける。
撫でようとすると、スルリと手の平を避けて移動する。でもけして遠いところには行かない。どうやらうに丸は最期の時は甘えないタイプの猫みたいだ。
元気なときは甘えん坊だったので不思議な感じ。
王様に仕える側仕えの衛兵みたいに黙って側で座ってじーっと見る。寒いのでコートを着て側に控える。
寒さに耐えられなくなったら温かい部屋に戻って、また王様に呼ばれたら側に馳せ参じる。王様が自由に廊下に行き来できるように、扉は少しだけ開け放しておくルールができた。
水は口をつけるだけ。ほとんど飲めていない。
おしっこはちゃんとする。足腰もしっかりしていて、飲み食いできないのが嘘みたい。
16日
夜は必ず私の枕元で寝てくれる。目が覚めてうに丸を見ると、必ず目が開いているので、寝られていないのかもしれない。
目が覚めた時は、いい子だね、と言って必ず撫でた。うに丸の毛皮は頭部分がフサフサ柔らかくて、背中の部分は硬めでボサボサだ。背中の毛を逆立てていると、ハリネズミみたい。
お水は飲みたくても飲めない感じがずっと続いてる。
17日
私の姿が見えなくなるとちょこまかと追いかけてくるようになった。トイレにも入りたがるので、小さい頃もそうだったなあって思いながら入れてあげた。
水を流すと小さい三角の手洗い場にジャンプして飛び乗った。おっ、て思って見ていると流れる水をチョロチョロと飲み始めた。
えっ!?
三角の縁に不安定に立ち、頭を下にしてアクロバティックな飲み方だけど少しずつ水をペロペロすくって飲んでいる。昨日まで水を飲めずにしょんぼりしていたのに、まさかトイレの水を飲むとは思わなかった。ビックリだ。
うに丸が満足するまで、水を流し続けた。その後もトイレに付いてきて水を飲みたがったので、飲みたがるだけ飲ませてあげた。
18日
流れる水が好きなのかな、と思って噴水型の自動給水機を買う。使われるかどうかはわからなかったけど、もしかしたら飲めるかもしれないという希望があったので購入した。流れる水の音には反応したけど、そこから水を飲むことはなかった。トイレの水も、お昼に一度だけ飲んで、その後は三角のところに登ることもなくなり、それから一切の水を飲まなくなった。
19日
トイレにはついてくる。
水の流れを見ながら、飲んでる気分になっているのか口をチャプチャプさせている。でも実際にはもう水は飲まない。
この頃から廊下ではなく日向ぼっこのできる窓辺のお気に入りの場所で休むことが多くなった。30cmぐらいの段差を物ともせず登る。まだ足腰はしっかりしている。でも時々、前脚が震えていることもあった。目力はまだある。
お日様の光を浴びているうに丸を見ると神々しい感じがした。
カミサマ、まだうに丸を連れて行かないでください。
カミサマ、うに丸が苦しまないように早くお迎えに来てください。
矛盾している気持ちは、どっちも本当で。
カミサマが迎えに来たら迷子にならないようにちゃんとついて行くんだよ、ってうに丸に言い聞かせた。
20日
私の誕生日だった。
ご飯を食べなくなって2週間近かったので、生きててくれるかなー、って言ってたけど、余裕で元気だった。猫を飼うのはうに丸たちが初めてで、動物を看取るのも初めてのことだから、飲まず食わずでいるのに、こんなに穏やかで長く一緒にいられるとは思わなかった。スゴイ。
本当にスゴイ。
水を飲んでいないのに、おしっこはしていた。
しっかりとした足取りでトイレに向かい、失敗することなく用を足していた。そういうところもホントすごい。
うに丸はカミサマが猫初心者の私にくれた最高のプレゼントなんじゃないだろうか。
21日
うに丸を持ち上げると紙のような軽さだった。おまんじゅうのようだった顔もシュッとしている。ずいぶんと痩せてしまったけど何とカワイイ猫なのか。子猫から今まで、可愛くない時がない。そして今は尊さすらある。
夜の九時ぐらいになると部屋をウロウロ周りはじめる。一緒に寝ようよ、の合図だ。私の布団の枕元で落ち着きたいのに、私がいないのはイヤなのだ。
ナニそれ、可愛すぎない?
当然、うに丸優先なので一緒にお布団に入る。おかげでここ2週間ほど早寝。
化け猫になってもいいからまだ長生きしてほしいな。
水を飲みたくても飲めなさそうな感じ
水面に顔を近づけて口をチャプチャプ動かすけど実際に水を飲めていない
昨日まではお湯にすると少しだけ飲んでたけど、今日はお湯でもエアチャプチャプ
口の中を潤すぐらいの量しか飲めていない。
水の音に反応してやってくるけど、口をつけられなくてしょんぼりしている。
水を飲めなくなると数日ってどこかで見た。
シリンジで無理矢理飲ませるか悩んだけど口の周りに水を付けるとすごく嫌がったので、無理に何かをさせるのはやめた。
水を飲めなくなったのは体が旅立つ準備をし始めたからだね、と話しかける。
それ以外はお気に入りの場所で寝ている。規則正しくお腹が上下するのを見て安心する。
まだ大丈夫。
15日
寒い廊下にいる事が多くなった。廊下はほぼ外と同じ気温。外との違いは風が吹かないぐらい。
ほぼ廊下が定位置で、寂しくなったら鳴く。鳴き声が聞こえるといそいそと駆けつけて声をかける。
撫でようとすると、スルリと手の平を避けて移動する。でもけして遠いところには行かない。どうやらうに丸は最期の時は甘えないタイプの猫みたいだ。
元気なときは甘えん坊だったので不思議な感じ。
王様に仕える側仕えの衛兵みたいに黙って側で座ってじーっと見る。寒いのでコートを着て側に控える。
寒さに耐えられなくなったら温かい部屋に戻って、また王様に呼ばれたら側に馳せ参じる。王様が自由に廊下に行き来できるように、扉は少しだけ開け放しておくルールができた。
水は口をつけるだけ。ほとんど飲めていない。
おしっこはちゃんとする。足腰もしっかりしていて、飲み食いできないのが嘘みたい。
16日
夜は必ず私の枕元で寝てくれる。目が覚めてうに丸を見ると、必ず目が開いているので、寝られていないのかもしれない。
目が覚めた時は、いい子だね、と言って必ず撫でた。うに丸の毛皮は頭部分がフサフサ柔らかくて、背中の部分は硬めでボサボサだ。背中の毛を逆立てていると、ハリネズミみたい。
お水は飲みたくても飲めない感じがずっと続いてる。
17日
私の姿が見えなくなるとちょこまかと追いかけてくるようになった。トイレにも入りたがるので、小さい頃もそうだったなあって思いながら入れてあげた。
水を流すと小さい三角の手洗い場にジャンプして飛び乗った。おっ、て思って見ていると流れる水をチョロチョロと飲み始めた。
えっ!?
三角の縁に不安定に立ち、頭を下にしてアクロバティックな飲み方だけど少しずつ水をペロペロすくって飲んでいる。昨日まで水を飲めずにしょんぼりしていたのに、まさかトイレの水を飲むとは思わなかった。ビックリだ。
うに丸が満足するまで、水を流し続けた。その後もトイレに付いてきて水を飲みたがったので、飲みたがるだけ飲ませてあげた。
18日
流れる水が好きなのかな、と思って噴水型の自動給水機を買う。使われるかどうかはわからなかったけど、もしかしたら飲めるかもしれないという希望があったので購入した。流れる水の音には反応したけど、そこから水を飲むことはなかった。トイレの水も、お昼に一度だけ飲んで、その後は三角のところに登ることもなくなり、それから一切の水を飲まなくなった。
19日
トイレにはついてくる。
水の流れを見ながら、飲んでる気分になっているのか口をチャプチャプさせている。でも実際にはもう水は飲まない。
この頃から廊下ではなく日向ぼっこのできる窓辺のお気に入りの場所で休むことが多くなった。30cmぐらいの段差を物ともせず登る。まだ足腰はしっかりしている。でも時々、前脚が震えていることもあった。目力はまだある。
お日様の光を浴びているうに丸を見ると神々しい感じがした。
カミサマ、まだうに丸を連れて行かないでください。
カミサマ、うに丸が苦しまないように早くお迎えに来てください。
矛盾している気持ちは、どっちも本当で。
カミサマが迎えに来たら迷子にならないようにちゃんとついて行くんだよ、ってうに丸に言い聞かせた。
20日
私の誕生日だった。
ご飯を食べなくなって2週間近かったので、生きててくれるかなー、って言ってたけど、余裕で元気だった。猫を飼うのはうに丸たちが初めてで、動物を看取るのも初めてのことだから、飲まず食わずでいるのに、こんなに穏やかで長く一緒にいられるとは思わなかった。スゴイ。
本当にスゴイ。
水を飲んでいないのに、おしっこはしていた。
しっかりとした足取りでトイレに向かい、失敗することなく用を足していた。そういうところもホントすごい。
うに丸はカミサマが猫初心者の私にくれた最高のプレゼントなんじゃないだろうか。
21日
うに丸を持ち上げると紙のような軽さだった。おまんじゅうのようだった顔もシュッとしている。ずいぶんと痩せてしまったけど何とカワイイ猫なのか。子猫から今まで、可愛くない時がない。そして今は尊さすらある。
夜の九時ぐらいになると部屋をウロウロ周りはじめる。一緒に寝ようよ、の合図だ。私の布団の枕元で落ち着きたいのに、私がいないのはイヤなのだ。
ナニそれ、可愛すぎない?
当然、うに丸優先なので一緒にお布団に入る。おかげでここ2週間ほど早寝。
化け猫になってもいいからまだ長生きしてほしいな。
うに丸が去年の夏ぐらいから頻繁に吐くようになった。吐いた後はケロリとしてご飯を食べていたし、それ以外に気になるところはなかったから歳を取ったからなのかなって話をしていたけれど、一週間に一度だったのが、2,3日に一度、10月になると毎日吐くような事もあり、ちょっと頻度がおかしいぞ、と病院に連れて行った。
引っ越してからかかりつけの獣医さんもいなかったので、口コミで評判の良さそうな病院に連れて行く。
血液の検査結果はどこも異常なし
全くの健康体で、太鼓判を押されるほどだった。
少し様子を見よう、となったけれども収まる気配はなく、ほどなくして別の病院に連れて行った。
そこの病院は先生の感じもよく、まるの腎臓の薬も比較的安く購入できたため、この先ここをかかりつけの病院としよう、と決めた。
余談だが、今まで通っていた北浦和の動物病院はラプロスが一粒100円と格安だった。もう引退して病院を畳んでしまったけど、まだやっていたらそこに駆け込んでいただろう。
そして、そこの病院でも血液検査をしたけれど、やはり結果は満点の健康優良児だった。
フードを変えてみましょう、と消化に優しいフードを何種類か提案してくれた。
うに丸が好んで食べたロイカナの消化器サポートを継続して食べさせることにした
フードを変えても吐き戻しは続いた。
12月、もう少し詳しく調べてみるため、血液検査にくわえて特殊血液検査、エコー、レントゲンを撮った。
どれもこれも正常値で、なぜこんなに吐くのか分からなかった。
もう少し詳しく調べるならCTかMRIになるけど、この病院ではできないので大きな病院での検査になること、金額も跳ね上がるということから、その日は軽い吐き気止めをもらって帰宅。
その吐き気止めは全然効かなくてゴポンゴポンという音と共にうに丸が苦しそうにしている日々が過ぎていった。嘔吐はほぼ一日に一回のペースだった。
年末年始はうに丸の調子が悪いため帰省するのをやめた。
その頃からご飯もあまり食べなくなっていた。もともと食べるのが下手くそな子だったので、使っている皿が食べずらいのだろうか、ともっと食べやすそうな食事皿を探しては購入してみたり、歳を取ると酵素が足りなくなるという記事をみて、サプリやフード、様々なものを購入した。結局のところ、皿でもフードでもなかったのだけど、その時はとにかく何でもいいから食べてほしくて毎日何かしら買っていた。
最終的には、大好きなおやつをふりかけてあげるとすこしは食べるのでおやつをふりかけながらあげる方法に落ち着いた。
年明けて1月5日。
右前足の麻痺が出た。
オットが仕事に行ってすぐ、うに丸がいつも乗らないテーブルに乗ってきた。どうしたのかと思ってみていると右前足をかばって歩いている。右前足の手の向きがおかしい。肉球が横を向いてしまっている。大げさに言えば手の甲を地面につけて歩いている状態だった。痛がる様子はなかったものの、ただごとではない、と思った。
あわてて病院に電話をしてそのまま車で向かった。
血栓の可能性があるとのことで血栓を溶かす薬やビタミン剤、吐き気止めを処方。点滴をするので半日お預かりします、と。
そしてもう一度レントゲン、エコー、血液検査に加え、血栓だったら出てくる数値、FIPの検査をした。外部での検査になるので、結果は次の日以降とのこと。
家では薬を飲ませるのとマッサージをしてくださいと。
半日の検査入院を経て、家に戻ると、甘えてくるうに丸の右前足を延ばしたり畳み込んだりぐるぐる回して、根元をやさしくほぐして、マッサージをした。薬が効いたのかマッサージのおかげか、夜になると時々麻痺がでるものの、しっかりと立てるようになってホッとした。猫、麻痺で検索すると、あまり良い予後しか出て来なかったので、復活したうに丸はスゴイ、とほめそやした。
今回処方された別の吐き気止めの薬はうに丸に効いたようで、これ以降吐くことはなくなる。
ただ、これを機に、ご飯は食べなくなった。
1月6日
病院が休みだった。何も食べないうに丸に人間がこれはどうか、あれはどうか、とあらゆるものを提供するも、匂いはかいで食べたそうにするのだけど、食べられず顔を背けてしまう。かろうじて水は飲むのだけど、フードは一切口にせず、布団にもぐりこんで一日中引きこもっていた。
大好きなおやつもダメだった。
1月7日
病院に電話し、一日何も食べないことを伝え、また連れて行く。病院に連れて行くたび、うに丸は元気な声を張り上げて抗議の声を上げ続ける。声にはハリがあり、まだまだ元気な事がわかる。
右前足の原因が血栓かどうかの検査は陰性だった。
FIPの結果も陰性。
麻痺の原因が血栓ではないとすると神経系が原因かもしれないと。
ひとまず栄養補給として輸液、ビタミンなどを背中の栄養タンクに入れてもらう。
食欲増進剤の薬を飲ませてもらい様子を見ることにする。
ご飯を食べられるようになれば吐き気ドメと食欲増進剤の薬でダマシダマシ付き合っていきましょう。
もし食欲が戻らないようであれば、これ以上の原因追求はCTやMRIになります。レントゲンやエコーでは映らない病変も見つけられます。もしくは血栓のこともあるので動物の神経科という専門の科があるので、そちらで原因追求するのもいいかもです、と。
そして、前回レントゲンの検査をした時に、気づかなかったけど骨に隠れてうっすらと影があるような、と肺の部分を指示した。こういった部分もCTであればはっきり分かります。腫瘍があるのかないのか。
帰ってきてウロウロしていた姿をみていると、右前足の麻痺がまた出ていた。
かすかに手の甲を地に着けて歩いていた。
あわてて病院に電話をする。麻痺が出たり出なかったりするのは、やはり異常なのでCTを予約しましょう、と。
最短で予約を入れてもらう。
ウニマルは布団に潜り込んで出てこない。
時々姿勢を変えるときに痛みか何かで声を上げる。
何度も声を上げた。
今まではめったに鳴かない子だった。甘えるときやご飯の催促のときに鳴くぐらいだったのに、今は少し体勢を変えるだけでなぁーん、と助けを求めるように声を上げる。
日付をまたぐ頃、声を出す回数が減りトイレでおしっこをした。
歩いている姿はフラフラしていた。
トイレがすんだらすぐに布団へ引きこもった。
この日は、おやつを3カリだけ食べた。
1月8日
9日の9時にCTの予約が取れた、と連絡をもらう。
今までの経過報告書を持っていくために、一度病院に行く。
CTを受けるため、白血病と猫エイズの検査が必要なので、その検査をし、ご飯を食べていないので、輸液をしてもらう。
昨日、輸液を受けたあと、ずっと鳴いていたことを伝えると、少し背中の後ろの方に栄養タンクをつくってくれた。前脚の方に輸液が落ちてきて気持ちが悪かったのかもしれないね。お腹の方に落ちれば違和感は少ないから、と。
1月9日
朝からやっぱり抗議の声をあげるうに丸を連れて、1時間ほどかけてCTを撮ってもらえる総合病院に連れて行く。
人間の総合病院と同じような立派な施設の病院で、事務的な対応になるのかな、と思ったら、うに丸を預かりにきてくれた女性がこちらの気持ちに寄りそうよう優しく言葉をかけてくれたので、ちゃんとうに丸を大切に扱ってくれるだろう、と安心した。
担当してくれたのは優しい雰囲気の女性獣医師だった。
今までの症状を一通り伝える。全身麻酔をすることの危険性や、注意事項を確認して署名し、すべてお任せする。
検査が終了してお迎えできるのは4時間後だった。
病院の外に出て諸用事を足して時間をつぶした。待ち時間は鉄球を飲んだみたいに体の真ん中がへこんだ思いがしていた。
迎えの時間になって病院に向かうと、たくさんの患畜さんに溢れていて、みんな大変な想いをしてここに来ているんだなぁ、と感慨深くなった。コロナ対策で、入場制限がかかっていて、着いてから30分ほど待たされて検査結果の説明を受けることになった。
CTの画像の見方の説明をしてくれてから、病変の箇所の説明へ。
丁寧に説明してくれていたけど、はい、とか、なるほど、とか言ってたけど、あんまりよく分からなかった。
分からなかったけど、肺に腫瘍がある事。
それは一か所だけでなくあちこちにあり、リンパ節にも癒着しているものがあるということ。血栓もあること。
分からないけど分かった。
治療法について言及しないので、手術は無理ということですか?と聞いたら、はい、と。
手術をするかしないか、という選択肢はなかった。数分前まで手術代はいくらかかるのかな、と考えていたことすら心配する必要がなくなった。
こらえきれずに涙がこぼれた。
オットも泣いてた。
獣医師さんも申し訳なさそうにしていた。
ただの炎症です、と伝えられれば良かったんですが、と。
泣きそうになっていたけど泣きたくても泣けない立場にあって、大変な仕事だな、と思った。
病名を付けるなら、原発性肺腫瘍と言ったような気がする。調べたら猫では稀な病気らしい。
治らないの病気なら仕方がない。
覚悟をするしかないのだ。
獣医師さんにお礼を言い、かかりつけ医に渡すための検査結果を手に家に帰った。
うに丸の嫌いな病院通いは、もうしないことにした。
効いている吐き気止めの薬だけ続けて、それ以外は、自然に。
肺がんを調べると最期は呼吸困難でとても苦しんで死ぬため安楽死も勧められるそうだ。
うに丸の場合、幽門部あたりにも腫瘍があり、そこが圧迫されていることにより食欲不振があるらしかった。
そして、呼吸が苦しそうな気配もないので、肺がんとしてはまだ末期ではないのかもしれない。
末期の前に食欲不振が出たのだとすると、苦しまないでいけるのかもしれない。
ご飯を食べられないことにより、体力がなくなり、穏やかな最期を迎えられるのかもしれない。
希望ではあるけど、そう思って日々を過ごしている。
今、うに丸はご飯は食べず、水は少しだけ飲めている。
一日の大半は引きこもって寝ているけど、時々おしっこをして部屋の見回りをして、外の景色を見ている。
ぼんやりしていることも多く、辛いのかな、っていう時もあるけど、理想的な最期に向かっていける準備をしているような気がする。
引っ越してからかかりつけの獣医さんもいなかったので、口コミで評判の良さそうな病院に連れて行く。
血液の検査結果はどこも異常なし
全くの健康体で、太鼓判を押されるほどだった。
少し様子を見よう、となったけれども収まる気配はなく、ほどなくして別の病院に連れて行った。
そこの病院は先生の感じもよく、まるの腎臓の薬も比較的安く購入できたため、この先ここをかかりつけの病院としよう、と決めた。
余談だが、今まで通っていた北浦和の動物病院はラプロスが一粒100円と格安だった。もう引退して病院を畳んでしまったけど、まだやっていたらそこに駆け込んでいただろう。
そして、そこの病院でも血液検査をしたけれど、やはり結果は満点の健康優良児だった。
フードを変えてみましょう、と消化に優しいフードを何種類か提案してくれた。
うに丸が好んで食べたロイカナの消化器サポートを継続して食べさせることにした
フードを変えても吐き戻しは続いた。
12月、もう少し詳しく調べてみるため、血液検査にくわえて特殊血液検査、エコー、レントゲンを撮った。
どれもこれも正常値で、なぜこんなに吐くのか分からなかった。
もう少し詳しく調べるならCTかMRIになるけど、この病院ではできないので大きな病院での検査になること、金額も跳ね上がるということから、その日は軽い吐き気止めをもらって帰宅。
その吐き気止めは全然効かなくてゴポンゴポンという音と共にうに丸が苦しそうにしている日々が過ぎていった。嘔吐はほぼ一日に一回のペースだった。
年末年始はうに丸の調子が悪いため帰省するのをやめた。
その頃からご飯もあまり食べなくなっていた。もともと食べるのが下手くそな子だったので、使っている皿が食べずらいのだろうか、ともっと食べやすそうな食事皿を探しては購入してみたり、歳を取ると酵素が足りなくなるという記事をみて、サプリやフード、様々なものを購入した。結局のところ、皿でもフードでもなかったのだけど、その時はとにかく何でもいいから食べてほしくて毎日何かしら買っていた。
最終的には、大好きなおやつをふりかけてあげるとすこしは食べるのでおやつをふりかけながらあげる方法に落ち着いた。
年明けて1月5日。
右前足の麻痺が出た。
オットが仕事に行ってすぐ、うに丸がいつも乗らないテーブルに乗ってきた。どうしたのかと思ってみていると右前足をかばって歩いている。右前足の手の向きがおかしい。肉球が横を向いてしまっている。大げさに言えば手の甲を地面につけて歩いている状態だった。痛がる様子はなかったものの、ただごとではない、と思った。
あわてて病院に電話をしてそのまま車で向かった。
血栓の可能性があるとのことで血栓を溶かす薬やビタミン剤、吐き気止めを処方。点滴をするので半日お預かりします、と。
そしてもう一度レントゲン、エコー、血液検査に加え、血栓だったら出てくる数値、FIPの検査をした。外部での検査になるので、結果は次の日以降とのこと。
家では薬を飲ませるのとマッサージをしてくださいと。
半日の検査入院を経て、家に戻ると、甘えてくるうに丸の右前足を延ばしたり畳み込んだりぐるぐる回して、根元をやさしくほぐして、マッサージをした。薬が効いたのかマッサージのおかげか、夜になると時々麻痺がでるものの、しっかりと立てるようになってホッとした。猫、麻痺で検索すると、あまり良い予後しか出て来なかったので、復活したうに丸はスゴイ、とほめそやした。
今回処方された別の吐き気止めの薬はうに丸に効いたようで、これ以降吐くことはなくなる。
ただ、これを機に、ご飯は食べなくなった。
1月6日
病院が休みだった。何も食べないうに丸に人間がこれはどうか、あれはどうか、とあらゆるものを提供するも、匂いはかいで食べたそうにするのだけど、食べられず顔を背けてしまう。かろうじて水は飲むのだけど、フードは一切口にせず、布団にもぐりこんで一日中引きこもっていた。
大好きなおやつもダメだった。
1月7日
病院に電話し、一日何も食べないことを伝え、また連れて行く。病院に連れて行くたび、うに丸は元気な声を張り上げて抗議の声を上げ続ける。声にはハリがあり、まだまだ元気な事がわかる。
右前足の原因が血栓かどうかの検査は陰性だった。
FIPの結果も陰性。
麻痺の原因が血栓ではないとすると神経系が原因かもしれないと。
ひとまず栄養補給として輸液、ビタミンなどを背中の栄養タンクに入れてもらう。
食欲増進剤の薬を飲ませてもらい様子を見ることにする。
ご飯を食べられるようになれば吐き気ドメと食欲増進剤の薬でダマシダマシ付き合っていきましょう。
もし食欲が戻らないようであれば、これ以上の原因追求はCTやMRIになります。レントゲンやエコーでは映らない病変も見つけられます。もしくは血栓のこともあるので動物の神経科という専門の科があるので、そちらで原因追求するのもいいかもです、と。
そして、前回レントゲンの検査をした時に、気づかなかったけど骨に隠れてうっすらと影があるような、と肺の部分を指示した。こういった部分もCTであればはっきり分かります。腫瘍があるのかないのか。
帰ってきてウロウロしていた姿をみていると、右前足の麻痺がまた出ていた。
かすかに手の甲を地に着けて歩いていた。
あわてて病院に電話をする。麻痺が出たり出なかったりするのは、やはり異常なのでCTを予約しましょう、と。
最短で予約を入れてもらう。
ウニマルは布団に潜り込んで出てこない。
時々姿勢を変えるときに痛みか何かで声を上げる。
何度も声を上げた。
今まではめったに鳴かない子だった。甘えるときやご飯の催促のときに鳴くぐらいだったのに、今は少し体勢を変えるだけでなぁーん、と助けを求めるように声を上げる。
日付をまたぐ頃、声を出す回数が減りトイレでおしっこをした。
歩いている姿はフラフラしていた。
トイレがすんだらすぐに布団へ引きこもった。
この日は、おやつを3カリだけ食べた。
1月8日
9日の9時にCTの予約が取れた、と連絡をもらう。
今までの経過報告書を持っていくために、一度病院に行く。
CTを受けるため、白血病と猫エイズの検査が必要なので、その検査をし、ご飯を食べていないので、輸液をしてもらう。
昨日、輸液を受けたあと、ずっと鳴いていたことを伝えると、少し背中の後ろの方に栄養タンクをつくってくれた。前脚の方に輸液が落ちてきて気持ちが悪かったのかもしれないね。お腹の方に落ちれば違和感は少ないから、と。
1月9日
朝からやっぱり抗議の声をあげるうに丸を連れて、1時間ほどかけてCTを撮ってもらえる総合病院に連れて行く。
人間の総合病院と同じような立派な施設の病院で、事務的な対応になるのかな、と思ったら、うに丸を預かりにきてくれた女性がこちらの気持ちに寄りそうよう優しく言葉をかけてくれたので、ちゃんとうに丸を大切に扱ってくれるだろう、と安心した。
担当してくれたのは優しい雰囲気の女性獣医師だった。
今までの症状を一通り伝える。全身麻酔をすることの危険性や、注意事項を確認して署名し、すべてお任せする。
検査が終了してお迎えできるのは4時間後だった。
病院の外に出て諸用事を足して時間をつぶした。待ち時間は鉄球を飲んだみたいに体の真ん中がへこんだ思いがしていた。
迎えの時間になって病院に向かうと、たくさんの患畜さんに溢れていて、みんな大変な想いをしてここに来ているんだなぁ、と感慨深くなった。コロナ対策で、入場制限がかかっていて、着いてから30分ほど待たされて検査結果の説明を受けることになった。
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丁寧に説明してくれていたけど、はい、とか、なるほど、とか言ってたけど、あんまりよく分からなかった。
分からなかったけど、肺に腫瘍がある事。
それは一か所だけでなくあちこちにあり、リンパ節にも癒着しているものがあるということ。血栓もあること。
分からないけど分かった。
治療法について言及しないので、手術は無理ということですか?と聞いたら、はい、と。
手術をするかしないか、という選択肢はなかった。数分前まで手術代はいくらかかるのかな、と考えていたことすら心配する必要がなくなった。
こらえきれずに涙がこぼれた。
オットも泣いてた。
獣医師さんも申し訳なさそうにしていた。
ただの炎症です、と伝えられれば良かったんですが、と。
泣きそうになっていたけど泣きたくても泣けない立場にあって、大変な仕事だな、と思った。
病名を付けるなら、原発性肺腫瘍と言ったような気がする。調べたら猫では稀な病気らしい。
治らないの病気なら仕方がない。
覚悟をするしかないのだ。
獣医師さんにお礼を言い、かかりつけ医に渡すための検査結果を手に家に帰った。
うに丸の嫌いな病院通いは、もうしないことにした。
効いている吐き気止めの薬だけ続けて、それ以外は、自然に。
肺がんを調べると最期は呼吸困難でとても苦しんで死ぬため安楽死も勧められるそうだ。
うに丸の場合、幽門部あたりにも腫瘍があり、そこが圧迫されていることにより食欲不振があるらしかった。
そして、呼吸が苦しそうな気配もないので、肺がんとしてはまだ末期ではないのかもしれない。
末期の前に食欲不振が出たのだとすると、苦しまないでいけるのかもしれない。
ご飯を食べられないことにより、体力がなくなり、穏やかな最期を迎えられるのかもしれない。
希望ではあるけど、そう思って日々を過ごしている。
今、うに丸はご飯は食べず、水は少しだけ飲めている。
一日の大半は引きこもって寝ているけど、時々おしっこをして部屋の見回りをして、外の景色を見ている。
ぼんやりしていることも多く、辛いのかな、っていう時もあるけど、理想的な最期に向かっていける準備をしているような気がする。
まるくんの検査、2月に病院に行ってきた。
結果
BUN67.2 前回55.1 前前回78.4
CRE3.64 前回4.8 前前回6.7
どうやらラプロスが効いているのか。
輸液はしていないけど、ものすごく水を飲むのでそのおかげでCREの数値が良くなってるっぽい。
まるのお気に入りの水飲み場はコタツの上の水だ。
まるはいつも私のコップから水を飲みたがっていて、前脚でコップを引き寄せて倒してテーブルやコタツ布団ををびしょ濡れにしていた。あちこちに水を置いてあるのに何故なのか。人が飲んでるから欲しくなるのかな、と不思議に思いながらまるくん用のお水コップもコタツの上に置くようにしたらそれ以来背伸びしながらそこから飲むようになった。
コタツの上にあるということが重要だったらしい。
猫にはよくわからないこだわりがあるようだ。

ご飯もモリモリ食べて体重も戻ってきた。
人間がコタツに入っているとコタツ布団の上から膝の上に乗ってくるのだけどその重みでわかる。
デブになりつつある。
嬉しいんだけど、足がすぐ痺れる。
少し不味い腎臓病食をトッピングするべきなのか。
元気ならデブでもいいか。
結果
BUN67.2 前回55.1 前前回78.4
CRE3.64 前回4.8 前前回6.7
どうやらラプロスが効いているのか。
輸液はしていないけど、ものすごく水を飲むのでそのおかげでCREの数値が良くなってるっぽい。
まるのお気に入りの水飲み場はコタツの上の水だ。
まるはいつも私のコップから水を飲みたがっていて、前脚でコップを引き寄せて倒してテーブルやコタツ布団ををびしょ濡れにしていた。あちこちに水を置いてあるのに何故なのか。人が飲んでるから欲しくなるのかな、と不思議に思いながらまるくん用のお水コップもコタツの上に置くようにしたらそれ以来背伸びしながらそこから飲むようになった。
コタツの上にあるということが重要だったらしい。
猫にはよくわからないこだわりがあるようだ。

ご飯もモリモリ食べて体重も戻ってきた。
人間がコタツに入っているとコタツ布団の上から膝の上に乗ってくるのだけどその重みでわかる。
デブになりつつある。
嬉しいんだけど、足がすぐ痺れる。
少し不味い腎臓病食をトッピングするべきなのか。
元気ならデブでもいいか。